投稿日:2021年7月10日 更新日:2024年1月29日
脊柱管狭窄症の薬とブロック注射の効果、メカニズムを考えていきます。 薬で治らない理由とは? ブロック注射で効果があるものと、効果がないものの違いは何なのか? 病院で治らない場合の脊柱管狭窄症の対策とは?
目次:脊柱管狭窄症の薬とブロック注射を徹底分析
- 脊柱管狭窄症の薬
プロスタグランジンE1
プレガバリン
非ステロイド性疼痛鎮痛薬
ビタミンB12
筋弛緩薬 - 硬膜外ブロック
プロスタグランジンE1
第一選択薬となるのが、神経への血流を改善するプロスタグランジンE1です。特に、神経根型の多くでは3か月ほどでよくなります。
プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)の解説
血行を良くすることで、血行が悪い状態でおこる手足の冷たさやしびれ、痛みなどを改善する薬
血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血行が悪くなり血栓ができやすくなる
体内でプロスタグランジンE1(PGE1)という物質は血小板凝集を抑え、血管を拡張させる作用などをもつ
本剤はPGE1を元につくられた製剤で体内でPGE1と同じ様な作用をあらわす
腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢の疼痛やしびれなどを改善する効果もある
経口プロスタグランジンを8週間飲んでみた。
しびれ,間欠跛行距離に有意な改善があったよ!
重度(じっとしてもしびれる。お尻の症状。歩くときにおしっこ漏れる)症状がない軽度の場合はよく改善したよ!
ただ、全員に効果があるのかは、データ不足。
Matsudairaら4)は,神経性間欠跛行ならびに両下肢のしびれを伴う馬尾症状を呈し,MRIで退行性中心性狭窄を認める腰部脊柱管狭窄症患者に対する経口プロスタグランジンE(1)(リマプロスト15μg/日)の有用性をNSAIDs(エトドラク400mg/日)と比較し検討している.リマプロスト投与は34例,NSAIDs投与は32例で,8週間の連続投与が行われ,8週での治療効果判定がなされている.評価項目には健康関連QOL,腰痛,下肢のしびれ,歩行距離,主訴の改善,満足度が用いられている.QOLならびに下肢しびれ,間欠跛行距離に有意な改善がリマプロスト投与群でみられている.会陰部症状,歩行時尿漏れ感,安静時しびれなどのない軽症例では改善度が優れていた.本研究からは「経口プロスタグランジンE(1)(リマプロスト)は,神経性間欠跛行ならびに両下肢のしびれを伴う馬尾症状を有する腰部脊柱管狭窄症の治療に短期間は有効である」とのエビデンスを得ることができる.ただし治療開始後8週での短期間の評価であり,腰部脊柱管狭窄症の一部患者に限定していることから腰部脊柱管狭窄症患者全般に同じ効果が得られるかどうかは不明である。 腰部脊柱管狭窄症における薬物治療の意義は何か
プレガバリン
馬尾型のしびれに対してはプレガバリン(神経障害性疼痛治療薬)が、神経根型の痛みに対しては非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などが使われることがあります。
プレガバリンは神経障害性疼痛(神経が圧迫された事による痛み・しびれ)に対して用いられる第1選択薬です。
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
ビタミンB12 筋弛緩薬
消炎鎮痛薬
痛みをとる効果があります。内服薬、外用薬、貼付薬などの種類があります。
消炎鎮痛剤には、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられます
ビタミンB12
末梢神経の障害を改善する薬です。
筋弛緩薬
痛みが続くと、筋肉が反射的に収縮して凝った状態となり、新たな痛みの原因となります。筋弛緩薬にはこのような筋肉の緊張を和らげる作用があります。
神経ブロック
(1) 硬膜外ブロック、仙骨ブロック
馬尾や神経根を包む硬膜の周りの空間に、局所麻酔剤やステロイドを注入して知覚神経を麻酔します。
ステロイドは炎症を抑えます。
(2) 神経根ブロック
X線透視下に神経根に局所麻酔剤やステロイド剤を注入するもので、神経根の圧迫で下肢痛が生じる神経根型の狭窄症に効果があります。
保存治療理論の5)の述べるように、局所麻酔剤により一時的に痛みが改善することにより生じる生体反応によって生理的な痛みの回復力が強まります。
しかし痛みの原因病態である狭窄に対する治療にはならないので効果は限定的です。
私の経験では軽度の病態(もともと回復力が残っている)以外は効果は一時的です。
(3) トリガーポイント注射
腰痛疾患で腰部の局所に筋肉が硬くなり(硬結)、押すと強い再現痛や関連痛を示す場合があります。筋肉由来の腰痛疾患で起こるといわれていますが、病態は不明です。この部分に局所麻酔薬を注射するものです。一時的に痛みは改善することが多いですが、根本治療にならないのは言うまでもありません。
神経ブロック注射
圧迫され、症状の原因となっている神経の根元の部分に、局所麻酔薬やステロイド薬を注射する治療です。レントゲンの機械で観察しながら骨から神経が出てくるところに注射する方法や、臀部の近くから脊柱管内へ薬剤を投与する方法があります。
1回の注射でも、神経症状が一時的に改善する効果があります。注射を繰り返し行うことで、長期的に症状の改善が得られたという報告もあります。
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