薬で治らない・自律神経失調症の治し方

▷1・自律神経失調症とは?

 自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることによって起こる身体の不調を意味します。

 しかしここで大切なことは、内臓や器官などの病変がなく、異常が見当たらない時の症状です。

 統一された診断基準が存在せず、医師によっても見解や治療方針が異なるのが現状でもあります。 

 精神疾患としては、国際疾病分類にも、または、アメリカの精神疾患診断基準にも載っていません。 

 そのため、自律神経失調症とい正式な病名ではありません。


 阿部達夫名誉教授のすぐれた研究が知らており、1960年に、日本内科学会の宿題報告として、「ビタミンと臨床」というテーマで発表され、その一部として、「不定愁訴症候群」という名称を提唱し「不定愁訴症候群」が【いわゆる自律神経失調症】と相当することを報告されています。

▷2・自律神経失調症の診断方法

 何度もお話しますが、自律神経失調症には正式な病名ではないため、明確な診断基準も確立されておりません。

 しかし、病院に行く際は、自分の症状にあった病院に行くことをおすすめします。

 動悸や息切れに対しては、内科での心電図検査。
 めまい、ふらつきに関しては、耳鼻科や脳神経外科がいいでしょう。

 自律神経失調症の症状は、たくさんあり、人によっては、内科に、耳鼻科、婦人科、脳神経外科、など体にある問題点の除外ののち、「自律神経失調症」と判断されます。

 

▷3・自律神経失調症は精神科?心療内科?神経内科は何?

 まずは自律神経失調症を疑う場合は、心療内科の受診をおすすめします。

 心療内科とは、ストレスや心理的な不安に対する、身体症状や精神症状を専門的に扱う場所だからです。

 もう少し詳しく見ていきましょう。 


▷心療内科とは? 

 「心療内科」はストレスが原因で、身体に症状があらわれている状態を診察します。

 吐き気・頭痛・動悸・下痢・など、心理的なきっかけやストレスが原因の場合心療内科が専門となります。

 自律神経失調症は、異常が見られない、原因がない場合に診断されます。

 そのために、さまざまな専門科に受診したのちに、心療内科に紹介されることが一般的です。


▷精神科とは? 

 「精神科」・「精神神経科」は同じ場所です。

 心の症状や病気を専門として、心の病気そのものの治療を行います。

 幻聴・幻覚・うつ病・躁うつ病・統合失調症・パニック障害など、強迫性障害・PTSDなどの心の病気の診療を行っています。 


▷神経内科とは? 

 神経内科は、脳神経疾患を専門としています。

 具体的には、認知症・パーキンソン病・脳血管障害などの診察します。

 先ほどにもお話したように、「自律神経失調症」の場合は、最終的に「心療内科」に紹介されることが多いです。

 

▷4・自律神経失調症の診断書はもらえるのか?

 自律神経失調症は正式な病名ではなく、判断基準もあいまいですが、 病院からは自律神経失調症の診断書はいただくことができるようです。

 理由はいくつかあり、

1・精神疾患の疑いがはっきり断定できない場合
2・適切な処置の元、重度のうつや神経症の移行を防ぐ目的 
3・症状があるのに、診断がわからないと患者さんの不安にさせないため

 などの目的があります。 

 ある医師の言葉を紹介すると、うつ病の患者さんの診断書に「自律神経失調症」を書くこともあります。

 仕事や、学校を休んでもらう場合に、その組織のメンタルヘルス理解度(うつ病は気持ちの弱さなど認識している上司等)を考えて、さらに患者さんの希望も聞いた上で、診断書には、「うつ病」か「自律神経失調症」か書き分けているようです。

 患者さん本人が復帰しやすい状況にしておかないと安心して休んでもらうことができないからです。

 そして何より、うつ病の場合、自律神経症状がみられることも多いため、「自律神経失調症」と書いても嘘を書いているわけではありません。

▷5・海外の自律神経失調症はどんな感じ?

 アメリカには、自律神経失調症やメニエールがない!?

 ある記事にはこう書いてありました。

 医療先進国と言われる国では、自律神経失調症は病気であると認められていません。

 アメリカで発行している、統計マニュアル「DSM」世界保健機構の「WHO」が制定した国際疾病分類「ICD」でも、自律神経失調症という名前は書かれていません。

 英語でDysautonomia (自律神経障害) はうつや精神疾患として扱われており、めまい、吐き気、頭痛の症状は重視されていないようです。 

蛇足
 アメリアには「サイコロジスト」(Psychologist)と言われる職業があります。 日本でいる臨床心理士に近いかもしれません。 日本の臨床心理士は、「病院臨床・産業真理・教育心理・スクールカウンセリング・精神保健福祉・心理相談」など、多岐にわたりますが、サイコロジストは、「精神病理をもつ患者さんの診断・治療・教育」に特化しています。 いわゆる、心の悩み、心の病気を扱う専門科のことですね。
 ちなみにアメリカでは、学校には一人スクールサイコロジストがいます。自閉症やADHDなどの教育的発達障害を診断することができます。
 そして、学校システム内の、どのプログラムに入ったらいいかなどの重要な情報を提供してくれます。
 ただし、薬が欲しい場合は、精神科医のメディカルドクターだけになります。
 これは実際の学校で過ごす、教育的診断と、体の医学的診断として区別されているようです。 

▷6・不定愁訴・自律神経失調症・違いは?

 不定愁訴の症状には、頭痛、めまい、倦怠感、イライラなどあり、自律神経失調症と同じような症状があります。

 違いを調べていきましょう。


▷不定愁訴とは

 普段の会話に出ない「愁訴(しゅうそ)」とは、「苦しみや違和感を口に出して訴えること」という意味があり、「不定愁訴」とは、「原因がはっきりわからないけれど、なんとなく体調が悪い」という状態を指します。

 成人では、20-30%の人が不定愁訴を持っていると推測された報告もあります。 


▷不定愁訴の症状は?

 体がだるい、頭が痛い、イライラする、眠れない、めまい、むくみ、気分の落ちこみ、などがあり、自律神経が乱れたうえでの症状と言われています。 

 自律神経失調症の定義は、日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と定義しています。


ポイント:自律神経失調症と不定愁訴の違い
 これらを考えるのと、不定愁訴とは、今感じている症状のことを言い、その原因として、「自律神経失調症」があると言えます。 

▷7・心身症・自律神経失調症・違いは?

 不定愁訴同様、心身症についても少し調べていきます。

 心身症は、胃の痛み、下痢等ストレスによって起こるものを言います。

 詳しく見ていきましょう。


心身症の症状は?

心身症の症状は多岐にわたります。 

・喘息 
・高血圧・起立性低血圧・狭心症
・胃潰瘍・慢性胃炎・過敏性腸症候群
・神経性食欲不振・過食症・甲状腺機能亢進症
・筋収縮性頭痛・片頭痛
・慢性蕁麻疹・アトピー性皮膚炎・円形脱毛症
・慢性関節リウマチ・全身性筋痛症・腰痛症
・更年期障害・月経前症候群
・眼精疲労・本能請眼瞼けいれん
・耳鳴り・めまい症・メニエール症候群・心因性難聴
・顎関節症・三叉神経痛など


心身症とは?

 各科が対応する身体疾患の内、発症や経過に心理社会的ストレスの影響で機能的(器質的)な障害を伴った疾患群です。

 これを簡単に表現すると、ストレスが原因で、実際の内臓が悪く(病気に)なっている状態を言います。

 日本心身医学会が定義する心身症は「身体疾患の中で、その発症や経過に、心理・社会的因子が密接に関与し、器質的病変、ないし、機能的障害が認められる病態を持つ身体疾患を言う。ただし、神経症や、うつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」です。

器質的 → 実際に見たら悪いのがわかる状態のことです。


心身症・機能的障害とは?

 「胃が痛い」という症状を訴えていても、検査の結果器質的な異常が見られないことを言います。

 そのために、心身症には、ストレスなどの精神的な問題が関与している、胃潰瘍やバセドウ病などの器質的病変と、検査では異常が特に発見されない機能的障害の2種類があります。 


心身症でないものもあります。

 同じ症状でも心身症でない場合もあります。 例えると、食事の不摂生などで身体的な要因からおこった胃潰瘍は心身症に含まれません。 しかし、心身症かどうかを見分けるには非常に困難もあります。 さっきの例ではストレスによっての過食があり、胃潰瘍が出るのであれば、心身症になります。  


心身症と神経症があるけど違いはなに?

 心身症は、「身体」の病気ですが、神経症は、通常誰もが感じる不安や心配が著しく強くなった状態で、悩みの延長線上の「心の病気」です。

 心身症と神経症は、ストレスから起きるものと共通点はありますが、病気が身体なのか、心なのかという違いはあります。 


心身症と自律神経失調症の違いとは? 

~ ポイント ~
 同じストレスが原因していますが、自律神経失調症は、身体の原因が見られませんが(検査では正常)、心身症は検査での異常を見つけることができます。

 自律神経失調症と、心身症は「器質的病変がみられるかどうか」に大きな違いがあると言えます。

 自律神経失調症は、体のさまざまな場所に症状を出しますが、心身症は、器官に集中して現れることが多いです。

 自律神経失調症の原因はさまざまですが、ストレスなの原因で、自律神経系の乱れが症状を出してきます。

 しかし、ストレスが続いてしまうと、慢性胃炎、過敏性腸症候群などの身体的に病気をおこします。

 特に、自律神経失調症は、症状が出たり出なかったり、不安定な症状を出ますが、心身症は、臓器や器官に集中して現れるものです。 


▷8・適応障害・自律神経失調症・違いは?

 適応障害は、1980年にできた比較的新しい病名です。

 そして正式な病名としてあります。


▷適応障害とは?

 ストレスを感じた時に一時的に、不安感やイライラ、悲しくなったり、投げ出したくなったりしますが、誰にでも起こるものでもあります。

 しかし、適応障害は、その反応が一般レベルを超えてしまう、仕事や、勉強、家庭生活などに大きな支障をきたす状態を言います。

原因 = 新しい職場・転校・結婚・離婚
※いずれもストレスが原因と言われている

 蛇足 
 2004年に皇后雅子陛下が休養を取られた際に、適応障害と発表されました。
 またイメージではうつ病よりも軽い感じがするために、診断書には、うつ病ではなく、適応障害と書く傾向もあるようです。 


▷適応障害の症状

・不安 ・恐怖 ・焦燥感(あせり)
・気分の落ち込み ・喪失感、絶望感 
・頭痛、肩こり 
・倦怠感、疲労感 ・不眠


▷適応障害の診断は?

 精神疾患の国際的な診断基準である、アメリカ精神医学会の「DSM-5」(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)には、

 適応障害診断には、原因であるストレスの存在が必要で、ストレスを感じてから3か月以内に症状が出ていることとされています。

 またそのストレスが無くなると6ヶ月以内に症状が無くなることが必要です。

 その症状は、以下の1つまたは両方に当てはまります。 

・きっかとなった出来事や状況から一般的に予想されるより、ずっと強い症状が出ている。
・仕事や日常生活などに大きな支障が出る。

 新入社員に起こる五月病。

 これらは適応障害の一種であり、精神症状としては、「やる気がでない」、「イライラする」「物事がおっくう」「不安感、焦り感」など、身体症状としては、「頭重感」「食欲不振」「めまい」「動悸」などです。


▷適応障害と自律神経失調症の違いとは?

~ポイント~
 適応障害は明確なストレスの「原因」が存在し、「原因」がなくなれば症状が消失するもの。
 原因不明は自律神経失調症となる考えています。


適応障害に似ているPTSD 

 混同しやすい病名として、PTSD(心的外傷後ストレス障害)があります。

 戦争や災害、事故や犯罪で命の危険に脅かされた体験したり、目撃したりすることでより起こる精神障害。

 恐怖の場面をフラッシュバックしたり、情緒不安定などの症状が現れます。


PTSDの診断は?

PTSDの診断方法は以下の場合になります。

・外傷出来事を直接または間接的に体験したことがある。 
・症状が1ヶ月以上続いている。 
・症状が重大な苦痛を引き起こしているか、日常生活に大きな支障をきたしている。 
・PTSDに関連する各カテゴリーの症状(侵入症状・回避症状・思考や気分に対する悪性響・覚醒レベルと反応の変化)がいくつか認められる。 

※侵入症状とは?・・・トラウマを思い出すこと。 
※回避症状とは?・・・トラウマを避けるようになる。 

▷9・うつ病・自律神経失調症・違いは?

うつ病は正式な病気になります。

 診断基準もありそちらも確認していきましょう。


▷うつ病とうつ状態の違いは? 

 精神科では、「うつ状態」と病気である、「うつ病」は明確に区分されています。

 うつ状態はある程度気分の落ち込みや憂鬱な気分が続いた状態を「抑うつ状態」と表現します。

 つまり、抑うつ状態や、うつ状態は、一時的な気分の落ち込みを指す言葉なのです。

 「うつ状態」が長く続き、生活に支障が出て苦痛が強い場合は、「うつ病」と診断されます。

 うつ病は、抑うつ状態よりも症状が重い場合や、期間が長い場合に使われる言葉です。 

「抑」~意味~(おさえつける)


▷うつ病の診断方法は?

 うつ病の診断基準には、「DSM-5」(精神疾患の診断・統計マニュアル)や「ICO-10」(精神および行動の障害・臨床記述と診断ガイドライン)が用いられます。

 以下の症状のうち、少なくとも1つがある。

・抑うつ気分(気分の落ち込み、やる気が出ない、イライラする)
・興味または喜びの消失 

さらに以下の症状を併せて、合計で5つ以上が同じ2週間の間にある。 

・食欲あるいは体重の変化 
・不眠または仮眠 
・精神運動性の焦燥または制止 
・疲労感または気力の減衰 
・無価値観、罪悪感 
・思考力や集中力の低下 
・死、自殺への念慮(何回も考えること) 

これらが、他の疾患や薬物の影響でない時に、うつ病と診断されます。

※精神運動性の焦燥または制止・・・
 精神運動の制止とは、話し方や動作が普段より遅くなっている、また、言葉がなかなか出てこない、周囲からも指摘される状態。 焦燥はその逆で、じっとしていられない、動き回ったり、座っていられない状態です。
 患者さんは、根気がない、集中できない、決断できない、億劫や面倒などを訴えるようです。 重症では、ベットの上で動かなくなることもあり、うつ病性昏迷 と呼ばれる状態になります。 

※昏迷(こんめい)・・・反応がなく、物理的な刺激によって覚醒させることができる。 昏睡(こんすい)では、覚醒させることができずに、刺激を受けても目は閉じたまま。

▷10・迷走神経反射・自律神経失調症・違い

迷走神経反射の症状には、自律神経失調症に似た症状がありますので、詳しく見ていきたいと思います。


▷迷走神経反射とは?

 ストレスや、強い痛み刺激、腹部の内臓の病気などによって、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などの生理的反応。

 他にも血の気が引く、気分が悪い、冷や汗、めまいのなどの症状が続き、場合によっては失神する人もいます。

 立位や座位の同じ姿勢の維持によって発生しやすいです。

 電車の通勤昼夜、朝礼で運ばれる人、注射を打つときの人、がこれに当たります。


▷迷走神経反射の症状

迷走神経反射による脳の血流不足になり、

・血の気が引く
・気分が悪い、
・吐き気、
・嘔吐、
・あくびが出る、
・急に眠くなる、
・冷や汗、
・頭の重さ、
・頭痛、
・腹痛、
・視界がぼやける、
・視界が暗くなるなどがあります。
( ↑ 前駆症状)

※前駆症状・・・特徴的な症状の前触れ

 これらの症状は数分間続くことが典型的です。

 横になって、休み、脳の血流が改善することで症状も改善していくことが特徴です。

 意識も通常1分以内に回復します。 ただ、失神による頭部損傷は気を付けなければいけません。 

▷迷走神経反射・自律神経失調症・違い

~ポイント~
 姿勢の維持、立っている時、座っている時、それが長い時間は、迷走神経反射を考えます。
 しかし横になったり、姿勢を変える(歩くなど)するとすぐに回復するのが、自律神経失調症と違う面があります。

▷11・日本と自律神経失調症

 日本で変化が起きたのは、20世紀の終わりごろ。

 日本の製薬会社で使われた、「うつは心の風邪」というキャッチフレーズ。

 誰にでもなる可能性があることを強調し、精神科受診の心理的ハードル下げる効果を持ったと思われます。

 そして実際に効果もあったようで、患者数は、4年で倍増し、抗うつ剤は6倍の規模に成長しました。

 しかし、ハードルを下げたことによる、風邪のように「寝ていれば治る」「休みを取れば治る」と少し違う解釈も広がっているようにも思えます。 


▷11-1 海外の自律神経失調症はどんな感じ?

 アメリカには、自律神経失調症やメニエールがない!?

 ある記事にはこう書いてありました。 医療先進国と言われる国では、自律神経失調症は病気であると認められていません。

 アメリカで発行している、統計マニュアル「DSM」世界保健機構の「WHO」が制定した国際疾病分類「ICD」でも、自律神経失調症という名前は書かれていません。

 英語でDysautonomia (自律神経障害) はうつや精神疾患として扱われており、めまい、吐き気、頭痛の症状は重視されていないようです。 

蛇足
 アメリアには「サイコロジスト」(Psychologist)と言われる職業があります。 日本でいる臨床心理士に近いかもしれません。 日本の臨床心理士は、「病院臨床・産業真理・教育心理・スクールカウンセリング・精神保健福祉・心理相談」など、多岐にわたりますが、サイコロジストは、「精神病理をもつ患者さんの診断・治療・教育」に特化しています。 いわゆる、心の悩み、心の病気を扱う専門科のことですね。 ちなみにアメリカでは、学校には一人スクールサイコロジストがいます。自閉症やADHDなどの教育的発達障害を診断することができます。 そして、学校システム内の、どのプログラムに入ったらいいかなどの重要な情報を提供してくれます。 ただし、薬が欲しい場合は、精神科医のメディカルドクターだけになります。 これは実際の学校で過ごす、教育的診断と、体の医学的診断として区別されているようです。 

▷12・自律神経失調症の歴史は?

「自律神経」に最初に記載したのは、ギリシャの医学者ガレノスです。(紀元129~199年頃)

↑ ガレノス

 当時は「自律神経」という言葉はないにしろ、当時ですでに、迷走神経や交感神経に相当する神経の形態について、示しております。

 17世紀にイギリスの医師、解剖学者ウィリス(1621~75年)は本で現在の交感神経管と迷走神経を解剖学的に記載しました。

 18世紀には、動物実験によって、神経の生理学的な機能が明らかになってきます。
 フランスのデュ・プチ(1664~1741年)は犬の頚部にある交感神経を切断すると、瞳孔に異常がみられることから、頚部交感神経が瞳孔を支配していることを証明しました。

 同じフランスのベルーナル(1813~78年)は、ウサギの頭頚部の交感神経を切断すると、耳の皮膚が紅潮し皮膚温が上昇することを見つけました。

 ブラウン・セカール(1817~94年)は交感神経の刺激によって血管が収縮することを突き止めました。

 1904年にイギリスのエリオット(1877~1961年)が交感神経の末端からアドレナリンのような物質が放出されていると考えて、アドレナリンが刺激作用を持つということで、「神経伝達物質」という概念の発端となっています。

 1905年にイギリスのラングレー(1852-1925年)はニコチンの受容体があることを提唱し、1921年に、本で「自律神経系」という言葉を作りました。

 解剖学的には、運動神経、感覚神経と異なる、神経を、「自律神経」を浮かび上がらせた歴史的な成果とも言えます。

 1920年にスイスの生理学者ヘス(1881-1973年)が脳の視床下部が自律神経活動に重要であると明らかにし、1949年にノーベル賞を受賞しています。

ヴァルター・ルドルフ・ヘス

 さらには、交感神経からアドレナリンに似た物質が発見され、1941年にそれを、ノルアドレナリンと同定したスウェーデンのオイラー(1905-83年)はその功績に1970年にノーベル賞を受賞しました。

ウルフ・スファンテ・フォン・オイラー

 このような流れで自律神経の概念が確立してきましたが、特に、ラングレーの本が非常に優れていて、交感神経と副交感神経の拮抗によって、自律神経が機能するという考え方は、現代まで浸透しています。 

▷13・そもそも自律神経って何?

 自律神経の交感神経と副交感神経は皆さんご存知だと思います。

 改めて昔の自分、または治療家向けに説明をしていきたいと思います。


▷交感神経とは? 

 通常は交感神経と副交感神経が二重拮抗になっており、二つのバランス進みますが、例外的に、交感神経のみが作用しているものが2つあります。 

 1・汗腺
 2・立毛筋


▷交感神経の作用

・脳血管を収縮させる
・瞳孔の拡大、涙の抑制 
・唾液の抑制 
・気管支の拡張 
・心拍数の増加 
・消火機能の抑制
・排便排尿を抑制 
・汗をかく 
・鳥肌 
・末梢血管の収縮 


交感神経の優位な時に起こる症状

・頭痛・まぶしさ
・目の渇き
・口が乾く 
・動悸、息苦しさ 
・便秘、下痢 
・胃痛、腹痛 
・体温調整しづらい 
・過緊張、首コリ


▷交感神経の場所

・上頚神経節・・・第2頚椎と第3計つの間の高さにある。
・中頚神経節・・・第6頚椎の高さにある。が、存在しないこともある。
・星状神経節・・・ 頚神経節と第1胸神経節が融合したもので、第7頚椎の高さにある。 
・胸部交感神経節・・・(T1~T5 心臓神経叢)(T1~T10 腹腔神経節・叢 )(T10~T12 下腸間膜動脈神経叢)
・腰部交感神経節


▷交感神経ブロックという治療方法

▷・星状神経節ブロック(SGB)

頚に注射

 ペインクリニックで多いのが星状神経ブロックという治療です。

 星状神経に局所的麻酔により、一時的にゆるめ、人が持っている本来の自然治癒力を高める治療方法です。

 上半身神経の効果だけではなく、脳の血流を増やして、視床下部の機能を正常化することで、自律神経を整える感じです。


▷星状神経節ブロックの対象症状

・頚椎椎間板ヘルニア
・肩こり
・片頭痛
・緊張型頭痛
・上肢の血行障害のしびれ

 疾患によっては30回以上 1年以上の期間が必要になるものもあるようです。

 私が調べているものでは、「痛み」を取るために、「自律神経」を調整する、星状神経節ブロック。

 「自律神経失調症」に星状神経節ブロックをするものとは違うのかもしれません。

 主な目的は血管収縮の緩和による血流の増加による、痛みやしびれを和らげて、回復させることです。

(一部ホームページでは自律神経失調症の根本になる視床下部に対するアプローチができるということで、星状神経節ブロックが自律神経失調症に効果があると話しております。)


▷星状神経節にレーザーをあてる治療

この方法は、整骨院でも行える方法です。

 レーザーとは、近赤外線治療のことで、ペインクリニックや整骨院でも治療はできます。


▷近赤外線レーザーとは?

レーザー

 深い深部までレーザーの波長をを到達させて治療を行います。

 特に、星状神経節の照射により、血流改善効果を期待しており、星状神経節ブロックに効果的な症状はこのレーザーでも同様に効果を期待できるものです。 


▷上頚神経節ブロック

 交感神経ブロックの中で星状神経節ブロックを紹介しましたが、一番上の「上頚神経節ブロック」もあります。

 上の神経節ブロックは、視床下部の血流増大があり、自律神経系にも効果的は働きが期待できますが、 主に、

・突発性難聴
・パーキンソン病
・三叉神経痛
・精神疾患
・線維筋痛症
・顔面神経麻痺

 などが対象になるようです。 

 またこれらの交感神経節ブロックは、診断にも使われ(診断ブロック)実際に注射を行い、効果が表れるようならば、交感神経節の「原因」だと判断する場合もあります。

▷副交感神経について

▷副交感神経の役割

 副交感神経は体を休める場合に働くことが多いようです。

 その作用は、

・脳血管を拡張 
・瞳孔を収縮 
・唾液のさらさら 
・気管支の収縮 
・心拍数を減らす 
・消化を促進 
・排便、排尿を促進 


▷副交感神経の優位の症状

・頭痛
・涙が出る
・脈が遅い徐脈
・だるさ
・朝が起きれない


▷副交感神経の場所 

 副交感神経は、脳幹(中脳・橋・延髄)と仙髄から伸びていき、顔面や、迷走神経として分布しております。

 


▷迷走神経の場所 

 脳神経の中で第10脳神経であり、副交感神経の代表的な神経。

 名前の通り、複雑な形で体にめぐっています。 


▷14・自律神経を検査する機械があります。

自律神経の検査機械があります。

自律神経チェッカー

量子波動器メタトロン


▷メタトロンとは? 

 ロシアで開発された波動測定器です。  1988年に開発が始まり、1997年に製品化された周波数を測定する測定器です。 1999年には医療施設でも使用されるようにもなりました。 世界50ヵ国以上で導入されている医療機器ですが、日本では医療機器とは認定されておりません。

 宇宙空間など医師がいない極限状況下での人間の健康を管理するために、開発された医療機器です。

 各臓器や体の部位からの周波数を読み取り数字で評価します。 メタトロンは心の奥底にある感情を読み取ることができて、病気の根本原因になりうる、ストレスや感情を探り出すことも可能です。

 正直、このメタトロンを検索していくと、「怪しい」「うさんくさい」などのワードも上がっているのも事実です。 


▷なぜメタトロンは普及しないのか?

 ソースがなくて申し訳ないですが、私が調べていたページでは、メタトロンを測定して、施術や治療を行い、実際の結果として、測定値が低く(悪く)なる場合があるようです。

 それを副反応や回復反応と表現することもできますが、そこのところは実際に行っている人しかわからないかもしれません。


 

これは他の施術も同様です。

 病院では薬、 私のような民間医療では、骨格矯正などのカイロプラクティック、 頭の動きを見ていく、オステオパシー、針やお灸の東洋医学の治療 さまざまな方法があります。

 本当に自律神経失調症に効果的なものがあれば、○○療法ですべての自律神経失調症が改善する!ってなるはずですが、現実ではそうではありません。

 それぞれの治療で、ある程度の効果があるだけです。

 病院で改善する人もいれば、病院で改善しない人もいます。

 私のような民間医療で変わる人もいれば、民間医療でも変わらない人もいます。

 これらは、自律神経失調症という表面にある症状に対して、 その原因というのは、もっと奥にあり、それに合うように治療していくことが大切なのかもしれません。 

▷15・自律神経失調症の薬は?

自律神経失調症と薬についてはこちらで解説しています。



▷16・自律神経失調症と民間療法・治し方

 私は民間療法を行っています。

 それこそ、自律神経失調症を治そうとたくさんの治療の勉強をしました。

 ただ、民間療法の良さをお話したと思いますが、自律神経失調症に対して、完璧な○○療法などは存在していません。

 自律神経失調症の完璧な治療が存在していたら、それで、自律神経失調症の症状は無くなります。

 今現在、自律神経失調症が、なくなっていないのは、その人の原因に対してアプローチできていないからです。

 様々な角度で知っている自律神経失調症の情報をお話していきたいと思います。

☆当院が選ばれる理由

1・しびれ・めまい専門の多数の実績

 当院はしびれとめまい専門院です。

 たくさんの患者さんに来ていただいていることに感謝しております。

 しびれ と めまい に悩んでいる方が集まっていただく多くの方は「患者さん声」を見てきていただくことが多いです。 

▷患者さんの声はこちら

実績1:このままだと手術

実績2:病院では手術

実績3:「後は手術しかありません」

実績4:5年前からのめまい

実績5:10年前からのめまい

実績6:めまい、動悸、息苦しさ

本当の原因の特定こそが、根本改善への近道。

しっかり時間をかけて調べます。

※詳しくはこちらで説明しています。
→ 初めての方へ

2・お体を徹底的に把握

 ほとんどの症状は、患部に関係はありません。

 患部に対していくら施術をしたところで根本原因の解決になりません。

 そのようなものを「その場しのぎ」の施術になってしまいます。

 「症状の根本的な原因」を改善させるために、もっとも重要な原理原則に着目しない限り、絶対に症状が根本から改善することはありません。

 腰の痛みに対して、いきなり腰をマッサージしていてはダメです。

 当院ではしっかり原因を把握し、患者さんに細かくわかりやすく説明していきます。

3・治療は開始はお互いの納得後

 これは1番大切にしていることです。

 特に患者さんには、

【安心していただくこと】

【納得後に治療すること】

を特に大切にしております。

▷料金表はこちら

 計画的に、患者さんに合わせた形で進むからこそ、

どこに行っても治らない方が来院していただいております。

4・病院で治らない方が多数来院

 今の治療方法を考案したのは、母のガンがきっかけでした。

▷治療方法はこちら

 アメリカのがん治療をしている整体の方が「磁気マニュアルテクニック」というものを使用していました。

 その治療院の半分はがん患者と聞きました。

 東京で勉強して母に治療したのを今でも覚えています。

 おかげで1ヶ月ほどで腫瘍マーカーも正常値まで下がったのを喜んでいました。

 がん治療と言っても基本的な考え方は体の痛みを取ることにも使用することもできます。

 そこでたくさんの患者さんを診させていただいた特徴が「病院で治らない」ということです。

 決して病院が治せていないというわけではありません。

 病院は病院の良さの特徴がありますが、病院で治らない人の特徴もまたありました。

 それを検査できるようになったのが、今の治療方法であると言えます。

 おかげで遠くからでも来院していただいております。

5・市外からも多数来院

 しびれ専門院・めまい専門院の整骨院は見かけないと思います。

 おかげで遠方からも来院していただくようになりました。 

 郡山市だけではなく、市外や県外からもご来院いただいております。

 本当に感謝しております。


120分 南相馬市から来院


140分 栃木県から来院


80分 福島市から来院


90分 会津若松市から来院

 遠方からも来た頂くことが多くなってきてより、

 しびれとめまいの患者さんが集まってきていただき、

雑誌にも載るようになってきました!

6・福島県初の神の手治療院に認定

 おかげさまで、神の手治療院に認定していただきました。

 業界内でも技術が評判で、私自身、技術セミナーも行っております。 

→ 治療方法はこちら

 「しびれ」と「めまい」を専門に治療するようになり 9年 が立とうとしております。   

 多くの方は 体の不調を病院で診てもらいます。 

 しかし、体はそれだけでは改善しない場合があります。

 病院で、症状が変わらず、あきらめてしまっている方もいます。

 しかし、 多くの方が 「病院」を万能に考えています。

 整体、整骨院で治らないなら病院に行くように。

 でも違います。

 病院は病院の良さがあります。

 私のような民間医療には民間医療の良さがあります。 

 決して病院は万能ではありません。

 そして私も万能でもありません。 

ただ、病院とは違う 「見方」ができます。 

 私は胸を張って実際に「結果」を出せるようになってきました。 

 これを見てるあなた様も、一度お体を確認させてください。

 どこに行けばいいのかわからない方は 一度 自分の症状のページをご覧になってください。

 たくさんの患者さんの声を用意しております。 

 あなた様と同じような「症状」の患者さんの声があれば、 一つの希望になるかと思っています。