頚椎ヘルニアの手術を分析・手術は有効か?

投稿日:2021年6月2日 更新日:2024年2月28日

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頚椎ヘルニアの手術を分析・・手術は有効か?

頚椎ヘルニアの手術を考える まとめ 

 最初に大まかなまとめを書いていきます。 これは論文をまとめた内容であり、 手術したほうがいいのか、手術しないほうがいいのかに関しては、別にまとめています。 → 手術するか? 手術しないで進めるか? 

 ○頚椎ヘルニアの手術平均年齢51歳 
 ○再手術は10%程
 ○歩行障害・文字が書けない・ボタンが留められないは手術(巧緻(こうち)運動障害)
 ○治療しないで治ることはほとんどない
 ○研究によって結果が変わる
 ○6ヶ月で手術するする人、手術しない人の健康状態に差がない報告
 ○保存治療(手術しない治療)半年後に40%悪化した報告もある

詳しく見ていきましょう。(論文を飛ばす → 手術するか? 手術しないで進めるか? )

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察1

 神経根症 59例 54例の92%は腕の痛みが完全に消えました。
 5例(8%)ごく軽度の腕の痛みがある状態。
 しびれが軽く残っているのは16例(27%)でした。

前方法から後方法へー頚椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療ー

 参照:前方法から後方法へー頚椎椎間板ヘルニアに対する手術的治療ー

 〇頚椎ヘルニアに対する手術法は1960年代までは後方法からが一般的だった。
 しかし、ヘルニアの摘出が困難という問題点があり、1960年からは前方法が普及した。
 1980年からは手術用の顕微鏡も導入され、後方法の可能性も再検討されている。
 この研究の目的は、手術方法と手術成績を検討することである。 

 〇1980年代では前方法75%と後方法が25%、2000年代には前方法9%、後方法91%と、最近では、後方法が一般的に普及している。

 〇119例 男性89例 女性30例 平均延齢51歳 脊髄症39例 神経根症59例 根脊髄症21例  

 〇神経根症では後方からの顕微鏡視下ヘルニア摘出術59例。
 手術後前例で上肢痛が軽減、54例92%は、完全に消失している。
 5例の8%はごく軽度の上肢痛が残存。軽度のしびれが残存例が16例(27%)。 

 〇正中に巨大なヘルニアがあり、後方から摘出が難しい症例のみ前方除圧固定術を選択しており、前方法に適応した症状もあると考える。 
 また頚椎ヘルニアの再手術例に対して、前方法が12,3%で後方法は1,4%と、後方法が明らかな安定がみられている。 
 前方法は隣接椎間障害による、再手術率が10年の経過で10%前後であり、長期成績が不安定であると述べられている。 

 〇ちなみに海外では、人口の椎間板を使った手術があり、除圧をしない、前方手術が行われている。
 膝や股関節の人工関節の耐用年数が20年に満たないことを考えれば、その長期成績は、不安定であるとも考えられます。 
 若年者の多い頚椎ヘルニアでは可能な限りでは後方法で対処するのが望ましい。 

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

歩くのができない、文字が書けないのは手術

歩行障害、文字が書けない、ボタンが留めれない → 手術だね(巧緻(こうち)運動障害)
やはり年配は手術は控えて、でも若いと手術を進めることが多いよ!

歩行障害、字が書きにくい、ボタンを書きにくいといった、手の巧緻運動障害などの脊髄症状があり、しかも進行性であれば手術適応とされている。麻痺の程度が軽い場合は保存療法か手術療法か意見の分かれる場合が多いが一般に高齢者では保存療法が選択されることが多く、若年層では機能障害が軽くても手術を進める場合が少なくない。
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

頚椎ヘルニアの手術・再手術は10%程

再手術になった人は、
1・100人中9人(9%)
2・106人中17人(16%)
3・33人中5人(15%)

前方除圧固定術後10年以上経過観察できた100例中9例で再手術(EV level7),5年以上では106例中17例で再手術(EV level 72), 16年以上追跡できた33例(うち頚椎症は21例)では5例に再手術が行われていた(EV level7°). 原因は脊柱管狭窄(12ないし13mm以下)を基盤とした固定隣接椎間障害であったという点で一致していた(EV level 7)
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

治療しないで治ることはほぼない

治療しないで治るのは珍しい・・・
治療しないで5年、改善26% 変わらない26% 悪化49% だよ!

頸椎部圧迫性脊髓症120例のレビューがある(EV level 9). Natural history のAT 75%episodic worsening”, 20% “slow steady progression”, 5%rapidonset of symptoms that resulted in permanent disability” Th, Aih
未治療で改善することはまれであると述べている.
一方, わが国での頚椎症性脊髄症74例の自然経過の調査(EV level 72) では,平均5年10カ月の追跡で改善19例 (26%),不変19例(26%),悪化36例(49%) と報告され, 前述のレビューの結果と大きく異なっている。
 未治療を含む預椎症性脊髓症51 例の予後調査(EV level 73))では,平均2年1ヵ月の追跡で改善11例(22%).不変7例(14%).悪化33例(65%)であり,特に未治療例で悪化する傾向があった。
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

研究結果で評価は異なる

研究結果によって、手術してもしなくても差がないものや、手術がいいとか、あるけど、細かいところ(体の重症度、患者側環境)で変わっちゃうよね。

保存療法と手術療法の予後には差がある (手術療法が勝る) とする研究と,差がないとする研究が存在するが, これには各治療を選択した際の頚椎症性脊髄症の重症度や背景因子が結果に影響している可能性がある。また, 経過観察期間を長くすると, 保存療法群での悪化例の割合が漸増することが推測されるため,これまでに報告されている3~4年を超える長期での比較検討も必要であろう、手術療法選択のタイミングにも関連する問題であり,今後もさらに詳細な研究が必要である.

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

手術しない治療で改善したのは21%

手術しないで、治療した場合 改善したのが21% 変わらない23% 悪化9% 手術したのが47%だったよ!!

 保存療法については,預椎症性脊髓症151例の平均7年5カ月の調査(EV level7)で,改善21%, 不変23%,惠化9%,手術への移行47%であった.一方,レビューのなかで,神経症状が軽度な頚椎変性疾患による脊髄症に対する装具療法では,
30~50%の症例で改善していた(EV level 9°).
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

歩行、手術した人半年で改善、3年維持 手術しない人は6ヶ月で悪化40%

手術した人は、歩きが6ヶ月で改善!3年維持! 手術しない人は、6が月で悪化40% 変わらない 22% 改善36% 3年後は悪化86%

さらに, 保存療法22例と手術療法50例の比較研究では,手術療法群の30m歩行時間は6ヵ月で改善し3年維持されていたのに対して,保存療法群は6ヵ月で悪化9例, 不変5例, 改善8例, 3年では悪化19例, 改善3例であった。

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

手術して3年後 手術した人の改善率40% 手術しない人の改善率37% 差は無し

手術して3年後 手術した人の改善率40% 手術しない人の改善率37%と あまり変わらないね!

わが国でのJOAスコア13点以上の頚椎症性脊髄症に対する手術療法群と保存療法群を比較した研究において, 平均3.7年の追跡期間で, 改善率は手術療法群が40.4%, 保存療法群が37.1%と有意差を認めていない (EV level 6′).
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察

手術した人、手術しない人、半年後の健康状態、あまり変わらない

ある報告では、手術をした人、手術しなかった人、体の重症度や健康状態、どっちも半年後は変わらないね。

1年間に登録された頚椎症性脊髄症を前向きに追跡し, 結果的に手術療法に移行した32例と手術を施行しなかった34例を, modified JOAスコアを含む預髄症の重症度, SF-36による健康状態, standard gamble などの健康価値で評価したところ, 両群ともにいずれの評価法でも約6ヵ月追跡時と登録時との間に差が認められず, 手術療法の利点を示せなかったという報告もある (EV level 56)).
頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察10

ランダムに選んだ手術する人、手術しない人、3年後はあまり差がない

ランダムに選んだ、手術する人、手術しない人、3年後は、あんまり差がなかったよ。 

また,modified JOA 7 (Benzel EC et al J Spinal Disord 1991; 4: 286-295, 18 A点)が12点以上の頚椎症性脊髄症に対してコイントスにより保存療法と手術療法の2群に分け, prospective randomized study を行った一連の報告がある(EV level52-5)).この研究におけるそれぞれ保存療法 35例と手術療法33例の最終的な3年の経過報告(EV level 5°) では, modified JOA スコア, 改善率, 10m歩行時間のいずれの項目でも両群間に有意差はない, という結果であった. しかし, これはあくまで2群間を比較した全体の結果であり, 各群における当該治療に対する効果には幅があり,別の報告でこの研究における各療法に対し効果を認めた症例の特徴を検討している。頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

頚椎ヘルニアの手術を考える 考察11

重症の場合は早期に手術を進めている。

手術する人、手術しない人、手術しない人は少し改善したけど、手術すると、痛みなどがいい感じに改善! 重症な場合は、早く手術したほうがいいのかも!

一方,頚椎症性脊髄症の多施設共同研究(EV level 57) では, 保存療法の23例と手術療法の20例とを比較し,保存療法群では修痛はやや改善したが ADLと神経学的所見が著明に悪化したのに対して, 手術療法群では術前機能障害が高度であったにもかかわらず機能や痛み, 神経学的所見が良好に改善し, 結論として高度な機能障害例や進行例には早期の手術療法を勧めている.頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン

手術はするか? 手術しないで進めるか?

 以前に腰の手術(脊柱管狭窄症の手術)についても考察しました。
(坐骨神経痛の手術は有効か?・分析していきましょう。)

  腰の場合は論文に統一性を感じました。80%は有効であり、5年後には手術している人、手術していない人と差がなくなるとの報告でした。

 今回の頚椎ヘルニアに関しては、論文が変わると、話、結果が大きく変わる印象です。 手術しないで治療した場合は、40%が悪化の報告もあれば、半年後の健康状態は変わらないとの報告もされています。

  そこで考えたことは、手術しないで治療する「方法」にあると考えます。同じようにカイロプラクティックや整骨院の代替医療に対してのデータがなく、評価は全くできません。

 なぜ、腰の手術の場合と違うのでしょうか?考えてみました。

1・頚椎ヘルニアの根本原因
2・頭を支える頚椎
3・頚がたくさん動くということ(可動域)

 1・頚椎ヘルニアの根本原因 

 頚椎ヘルニアの場合、考えることは頚椎ヘルニアの根本原因のほとんどが首にないということです。 首の位置が、体の上にあります。 これは、骨盤の問題も、股関節や、膝関節、ましてや足関節の問題さえも首に影響していきます。

 同じ保存治療(手術しない治療)でも、根本の原因にアプローチしなければ、悪化する人も出てくるはずです。

2・頭を支える頚椎

 2つ目は、頭と頚椎の位置関係にあります。 頭は5㎏ほど。 ボーリングの玉と同じくらいになります。

 この重い頭をを常に支えていると考えれば、悪化するのもわかります。 保存治療(手術しない治療)でもその治療方法が的確なところにアプローチできているのか、できていないのか? そこが手術をしないと(手術しない治療法で)悪化するのか、手術しなくても、差が生まれずに過ごせることができるのか、分かれると考えます。

3・頚がたくさん動くということ。

 頚がたくさん動くということは、腰と違うことです。それ故に支えるのは筋肉に依存します。 これは1番の根本原因と同じですが、根本原因が複雑になっていることを意味します。

 たくさん動くということは、炎症を出しやすい環境になります。 (頚椎カラーの装着) 炎症が悪循環を作ってしまって、悪化につながると推測します。

 以上のことから、頚椎ヘルニアの手術に関しては、腰と違って、保存治療(手術しない治療)の「方法」に大いに関係していると考えます。

 しかしながら、巧緻運動障害・歩けない・文字が書けない・ボタンが留められないなど がある場合は、手術をおすすめします。

 もし歩けているのであれば、手術しない治療方法も一つになるかと思います。 その場合は、保存治療(手術しない治療)の「方法」が大切です。 ただ、整骨院や、整体の代替医療は治療方法がたくさんあります。 何がいいのかわかりません。

 その時の判断材料として、患者さんの声を参考にして、同じような症状の方を見つけることがわかりやすいと思います。 同じような症状を治せている技術を持っているということです。 参考にしてください。

 最後に、手術と言われていた、頚椎ヘルニアの方を何人かご紹介していきます。 

感謝