記憶はミトコンドリア?

睡眠の時は前頭葉の血流が落ちる これはアルツハイマー病 とい同じ流れをとる。(1)

ただ、睡眠は記憶を無くしているという表現は悪いから、 睡眠は、記憶を整理をする という 。(2)

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マイケル・アランダ氏:プラナリアは、淡水と海水に生息する扁形動物で、再生能力が高いことでよく知られています。尾を切っても再生し、半分に切っても2匹の完全体の扁形動物になります。それでもなお2匹とも頭部があり、その中には脳もあります。何より驚くべきことは、脳を切断された後も、切断前の記憶が残っていることです。

プラナリアは非常に単純な生物ですが、脳があり感覚受容などを管轄しています。しかもこの脳は、単なる神経の塊などではなく、ちゃんとした脳であり、脳葉が2つあり、全身の神経機能を司り、それぞれ管轄する部位があります。

つまりプラナリアの脳は、原始的な脳の姿である可能性が高いのです。そのため、プラナリアの脳は、脳の進化を研究したり、記憶などについての根源的な疑問をぶつけるにはうってつけであるといえます。

当然のことながら、プラナリアの記憶について調べることは困難です。しかし、プラナリアには新しい不自然な動作をするように訓練できますし、異なる条件下でもその記憶を保持しているかどうかを確認できるのです。

プラナリアの欲求は単純です。生肉を好み、光と変化を嫌います。僕もこれには共感します。プラナリアは、好物のエサのためには、嫌いな光も我慢しますが、同時に他にも変化が起きると対応できません。例えば、プラナリアを滑らかなガラスのペトリ皿から出して、ざらざらしたペトリ皿に移すと、最初のうちは、中央に光が当たったレバー片があっても、怖がって動きません。

ところが、プラナリアを事前にざらざらしたペトリ皿に移しておけば、この新しい環境に慣れる訓練を、おとなしく受けさせることができます。その後にスポットライトを当て、レバーを与えると、プラナリアはすぐにレバーめがけて動きます。

訓練の成功は、こうして十分に立証されました。さらにプラナリアは、この「食事運動療法」訓練の後でも、少なくとも14日間は記憶を保持できることがわかりました。

記憶を保持するのは脳だけではない可能性がある
ここで一つの疑問が提起されます。ここでプラナリアの頭部を切断してしまったら、どうなるでしょうか。扁形動物はこれまでには、エサを食べるなどの通常の働きが可能な新しい頭部を、一週間で再生できることがわかっていました。その間は食べずに生き、問題なく過ごします。

ところでこれまでは、脳を持つ生き物であれば、記憶を保持するのは恐らくは脳であると考えられてきました。そこで、1950年代以降、科学者たちは、扁形動物が頭部を失い、脳を再生した場合はどうなるのかを調べてきました。するとたいへん不思議なことに、彼らは以前の訓練を記憶しているようなのです。

例えば、2013年に行われた実験では、訓練済みの扁形動物は、その訓練を受けたのは頭部切断前であったにも関わらず、エサに素早く近づきました。しかし、訓練済みのプラナリアと訓練を受けていないプラナリアとの差異は、頭部切断前とさほど変わらなかったことから、研究者たちは、この実験の記憶保持は100パーセント肯定できないと結論付けました。とはいえ、そもそもプラナリアが訓練を覚えていられるとこと自体が驚きですよね。

さて、プラナリアがどのように記憶を保持するかということに関しては、実はよくわかってはいないのです。ある興味深い説によれば、習慣的な行動の記憶は、脳の外部の神経組織に部分的に移管されるというのです。

なぜかはわかりませんが、体内の他の神経に保持される記憶が存在するわけですね。これは、これまで記憶についてわかっていると考えられていたことを根底からひっくり返してしまいます。

確かに「マッスルメモリー」という言葉はありますが、そもそもこの言葉も、四肢をコントロールする脳の部位の働きを指すものであり、四肢そのものの記憶についてではないのです。

この現象を深く理解し、それがプラナリア特有のものなのか、それとも脳を有するすべての生物に共通するものなのかを解明するために、さらなる研究が必要です。なぜなら、ヒトの記憶がなんらかの形で脳外にも存在するならば、その仕組みを知ることで、脳の損傷や記憶障害、認知症の治療法を改良できる可能性があるからです。頭の無い変形動物から得られる学びとしては、素晴らしいものだとは思いませんか。

(1)脳血流 SPECT による超高齢アルツハイマー病の脳血流パターンの特徴
平尾健太郎 羽生 春夫 金高 秀和
清水聰一郎 佐藤 友彦 岩本 俊彦
要 約 目的:アルツハイマー病(以下 AD と略す)の脳代謝・血流パターンは発症年齢により変化することが報告されている.しかし,超高齢 AD の脳代謝・血流パターンの検討はあまりされていないので,今回我々は脳血流 SPECT(Single photon emission CT)を用いて検討した.方法:軽度~中等度 AD の各
年齢群(若年群,老年群,超高齢群)の初診時脳血流 SPECT をそれぞれの年齢にあわせた健常コントロール群と 3D-SSP(three-dimensional stereotactic surface projection)を用いて比較解析し,超高齢 AD の脳血流低下パターンを評価した.結果:群間比較において,若年 AD,老年 AD はコントロールに比し後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉での血流低下が高度にみられたのに対し,超高齢 AD はコントロールに比し後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉での血流低下が若年 AD,老年 AD よりも比較的軽度で,前頭葉,内側側頭葉の血流低下を高度に認めた.結論:超高齢 AD は若年 AD や老年 AD の脳血流低下パターンと異なり,若年 AD,老年 AD とは病理学的に若干異なる可能性が示唆された.さらに,超高齢 AD と診断された症例の中には,神経原線維変化型老年認知症のように AD とは異なる疾患が存在する可能性も示唆された.Key words:アルツハイマー病,超高齢 AD,脳血流 SPECT,3D-SSP(日老医誌 2008;45:408―413)

(2)深い眠りによって脳内の老廃物が洗い流されていることがわかった:研究結果
2019年11月15日(金)15時30分
松岡由希子
米ボストン大学の研究チームは、高速撮像技術を用いて、ノンレム睡眠中における脳脊髄液の律動を初めてとらえ、脳脊髄液の動きと脳波の活動、血流が密接に結びついていることを示した。この研究成果は、2019年10月31日、学術雑誌「サイエンス」で公開されている。マウスを対象とした2013年の研究結果では、脳脊髄液の流れと徐波睡眠が脳内の老廃物の除去に重要な役割を果たしていることが明らかにされたが、脳脊髄液の動きについては、これまでとらえられていなかった。そこで研究チームは、23歳から33歳までの成人13名を対象に、脳波(EEG)ヘッドセットで脳波を測定するとともに、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)を用いてノン睡眠時の脳脊髄液の様子をモニタリングし、脳波において周波数の低い波が多くなると、脳の血流が低下し、脳脊髄液が脳内に流れ込むことを示した。ニューロン(神経細胞)が遮断されると、それほど酸素を必要としないため血液が減り、血液が流出すると脳内の圧力が低下するので、脳圧を安全なレベルに保つべく脳脊髄液が急速に流れ込むものと考えられる。