メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン

投稿日:2023年9月1日 更新日:2024年2月2日

 

参照:メニエール病の診断と治療

○ メニエール病の診断基準は、回転性のめまい発作に耳鳴り、難聴があり、それを繰り返す状態を言います。 

○ 難聴は低音障害型から始まります。 進行すると、中高音域も難聴がでて、全低音に対して悪くなっていきます。 

○ めまいは、10分から~数時間続いてしまう、回転性のめまいが基本となりますが、場合によってはフワフワしたような、浮動性の場合もあります。

○ メニエール病は、内リンパ水腫である、30~40台、女性に多く、ストレスや、不規則な生活がメニエール病に繋がっていると考えられています。 しかしながら、内リンパ水腫の発生や、メニエール病のメカニズムは原因不明です。 

○ 両耳の問題が出るのは、10~40%程、メニエール持ちが長いと、両耳の問題が出る可能性が高くなります。 

○ 両耳の問題が出てしまうと、神経症やうつ病の合併も高くなります。 

○ メニエール病の基本的な治療は、 規則正しい生活指導、水分指導、有酸素運動があります。 指導と一緒に、利尿剤、循環改善薬、抗めまい薬、抗不安薬、の対症療法もあります。 

○ もし、一向に効果がない場合は、外科治療も考える。

○ メニエール病の80%~90%は生活指導、薬物治療で軽快、治癒すると考えられています。 その中でも最近では、水分大量摂取や、有酸素運動などの新しいアイディアは取り入れられてきています。  

○ メニエール病の難病と言われている一番の問題は、進行性の感音難聴です。 急性期に難聴が悪化ししている場合は、聴力回復のために、ステロイドを考慮するべきと言われています。 

○ メニエール病は、内リンパ水腫があることがわかり、昔は、水分の制限をすることと、言われてきましたが、最近では、血中抗利尿ホルモン、内耳抗利尿ホルモン受容体の上昇が内リンパ水腫の原因であることがわかった。 水分制限により、血中抗利尿ホルモンは上昇するために、逆に1日2ℓ程度の水分を取ることを推奨されています。 内耳血液循環を考えると、妥当な考えと言えます。

○ 有酸素運動治療 有酸素運動は30分間、週に複数回、習慣的に行うことによって、10年のメニエール患者、高度感音難聴及び、めまい症状の警戒を得た報告もあります。 

○ 心理、精神治療  メニエール病を心の病気からくる心身症ととらえ、心理療法を行い有効であった報告もあります。 他にも、同じような症状に悩んでいる患者さんを集めて、患者さん同士の信頼関係を築かせながら、治療を進める集団精神療法を行う施設もあります。

メニエール病の外科手術 メニエール病に対する手術適応基準は、3~6ヵ月の生活指導、薬物治療でも変化せずに、めまいが頻発し、難聴が進行する難治例であり、メニエール病全体の10~20%程とかんがえられています。 
 内リンパ嚢手術 内耳機能温存させながら、手術を行います。 内リンパ嚢手術2年成績は、めまい完全抑制成績、43.0% 84.4% 56.8% 60.0% 聴力定価10㏈未満の聴力保存成績(10㏈以上の聴力改善成績)74.0%(19.0%) 83.4%(12.8%) 44.2%(4.7%) 82.0%(66.0%) です。
  5年成績の再検討では、めまい完全抑制47.0% 聴力温存が82.0% 聴力改善が18.0%です。
A 内リンパ嚢手術 + ステロイド
B 内リンパ嚢手術 + ステロイド無し
C 手術無し 
A は B・Cに 対して術後7年間良好な成績を持続 
B は C に対して6年間は有意に良好であったが、7年目は有意差がなくなった 

○ メニエール病の超既経過を見ていくものに対して、問題点は、めまい発作よりも、高度に進行しながら20~30%で両側に移行する感音難聴であると言われています。  

○内リンパ嚢手術の長所は、聴力の温存、改善が期待できる点であり、短所は、超既経過の中でのめまいの再発です。したがって、難聴が軽度であり、めまいの頻度が著しくない場合に選択されることが多いです。 

○前庭神経切断術 前庭神経切断術はめまい発作を抑制し、再発もほとんど見とれられることはないです。 手術技術の向上により、手術にともなう、難聴の増悪も回避できるようになりました。 前庭神経切断術2年成績は、めまい完全抑制成績90%以上 聴力低下10㏈未満の聴力温存成績は 92.0% 76.0% 。 しかし、内リンパ水腫の改善を目的としているものではなく、聴力温存成績、5~10年以上の長期経過の中では、 58.6% 52.0% と難聴の進行を止めることは難しい。 
 短所を上げるとしたら、開頭手術。 また手術後は、体を動かそうとするときに、浮動感が出る点です。 その点に関しては、小脳を含める、中枢前庭系の平衡代償のリハビリが必須です。

○ゲルタマイシン鼓室内投与 聴力障碍も比較的軽度に抑えることができ、手技の操作も簡便であるために、国内外において、現在最も普及しています。 2年成績は、めまい完全抑制成績、90%前後、聴力低下10㏈未満の聴力保存成績はおおむね70%。 10年成績は、めまい完全抑制成績85.7% 聴力低下10㏈未満の朝食温存成績57.2%と言われています。
 長所は、簡便であり、複数回の施行もできること、 短所は、薬物濃度が定まってなく、各施設でばらついていることである。 前庭有毛細胞の機能を無くすことがこの治療方法の意図であり、平衡代償しにくい高齢者、両側性には注意が必要です。 

○ メニエール病に対する流れは、3~6ヵ月の生活指導、薬物治療に抵抗し、めまいが頻発し、難聴が進行している難治例では、まずは、内耳機能温存術である、内リンパ嚢手術を行い、さらなる難治であれば、前庭機能廃絶を噛んエ簡便なゲルタマイシン鼓室内投与、また、開頭による前庭神経切断術の順に考えていきます。 海外では、全身麻酔が必要な内リンパ嚢手術より先に、ゲルタマイシンが選択される傾向があります。   ○