心と身体のクリニック

投稿日:2023年8月2日 更新日:2024年1月16日

 

参照:心と体のクリニック

○自律神経失調症は専門書にない病名
 自律神経失調症は、心療内科の代表的な病名として一般には知られているのに、医学専門書には、自律神経失調症という言葉すら乗っていません。
 自律神経失調症は、そもそも、「検査をしても異常がないのに、自立新規系の様々な症状を訴える状態」です。
 現在は、自律神経機能を正確に計測する方法がないので、検査所見を示して、「あなたは自律神経失調症です」と説明しにくいことが問題です。
 そして、自律神経失調症とされる症状のすべてが自律神経の失調のせいとは言えない問題点もあります。
 さらに悪いことは、「よくわからないから」「とりあえず何か病名をつけておこう」といった理由で安易に使う医師も少なくありません。 

○それでも自律神経失調症という病名が使われている理由。
 大きな理由は、このような症状に該当する病名がないからです。
 アメリカでの一番近い診断名が「身体化障害」があります。
 この診断をするためには、「30歳未満にはじまり、痛み、胃腸症状、性的症状などが数年間続く」としています。
 そして、実際に自律神経失調症の病名を当てようとすると、「鑑別不能型身体表現性障害」や「その他の身体表現性障害」といったものになります。
 しかし、これでは「あなたは鑑別不能型身体豹変性障害です」と言われても患者さんも困ってしまいます。
 そのために、現在は、自律神経失調症という病名を付けています。
 医師としても、一般的に知られている、自律神経失調症という言葉が、患者さんにも説明しやすいという理由が大きいです。

○ 
〔頭〕 頭痛、頭重感、のぼせ
〔目、耳、口〕 疲れ目、耳鳴り、口渇 
〔喉〕 詰まり感、違和感
〔呼吸〕 息苦しさ、酸欠感
〔心臓・血管系〕 胸痛、胸部違和感、動悸、立ちくらみ
〔消化器〕 食思不振、吐き気、腹部膨満感、便秘、下痢
〔泌尿、生殖器〕 頻尿、残尿感、生理不順、陰部の痒み、インポテンツ
〔筋肉、関節、皮膚〕 肩こり、脱力感、多汗、無汗、皮膚の乾燥
〔手足〕 しびれ、冷え、だるさ
〔全身症状〕 不眠、疲労感、めまい、微熱、フラフラ感、ほてり
〔精神症状〕 不安感、イライラ、集中力低下、意欲低下、記憶力減退

○自律神経失調症は実態がはっきりしない病気
 病気の原因は、「自律神経系のバランスの崩れ」
 自律神経失調症という病気は、うつ病と同じくらい広く知られています。
 しかしこの病名は、40年ほど前に、東邦大学阿部達夫先生が名付けた日本独自のもので、世界的には、身体症状症、身体表現性障害といった病名が一般的です。
 日本で使われている理由としては、説明しやすいからと考えています。
 しかしながら、厚労省での自律神経失調症の原因は、自律神経のバランスの崩れと言われていますが、現時点で、「バランスの崩れ」を証明する方法がまだないのです。
 そのために「検査をしても異常がないのに、症状がある場合」に、「自律神経失調症」と診断されます。 

○「身体症状性障害」とは?
 アメリカでは、2013年5月に、「精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第5版」が出版されました。
 今回新しく、「身体症状性障害」という診断名が生まれましたが、自律神経失調症や、身体表現性障害とほぼ同じものです。
・身体症状性障害の小野な診断基準 
A・身体症状が苦しく、日常生活の著しい妨げとなっている。 
B・次の身体症状や健康上の関心に関する過剰な考えや感情、行動、
 1・症状の重症度に関する不適切で持続的な考え 
 2・健康や症状に関せうる持続的な強度な不安 
 3・過度の時間と労力をこのような症状や健康上の関心に費やす 
C・どの身体症状も連続的ではないが、身体症状の出現状況は持続性である。(典型的には6ヵ月以上。)

参照:心と体のクリニック

めまい 
・すぐに病院に行くべきめまい 
・症状によるめまいの区別 
・自律神経失調症(浮遊性のめまい)の治療

▷すぐに病院に行くべきめまい【脳梗塞や脳出血】
 急ぐのは脳梗塞や脳出血の可能性がある場合です。
 ポイントは、めまい以外にどんな症状があるかということです。
 めまい以外の症状がない場合は脳梗塞や脳出血の可能性は少ないのですが、心配なのは、「ろれつが回らない」「ものが2重に見える」「手足がしびれたり、力が入らない」「立ったり、歩こうとすると、片方によろける」などの場合です。
 すぐに救急外来や脳神経外科を受診しましょう。 

【後遺症が残る可能性がある場合】
 突発性難聴など、難聴を伴うめまいが放置すると、聴力が戻らない危険があります。
 なるべく早く耳鼻科に受診しましょう。 

▷症状によるめまいの区別 
【回転性のめまい】耳鼻科の病気
 「ぐるぐる回る」めまいの大半は、耳が原因で起こるめまいで、命の危機に直結することは少ないです。
 代表的な病気は、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、めまいを伴う、突発性難聴、椎骨脳底動脈循環不全、前庭神経炎などで、それぞれ耳鼻科の病気です。 
【立ちくらみ】まずが内科
 立ちくらみ、目の前が暗くなったりは、血圧のへんどうによるもので、厳密にはめまいとは違いますが、低血圧、や貧血、不整脈、などの原因が多く、まずは内科や循環器で相談してみて下さい。
【浮動性のめまい】自律神経失調症はこのタイプ
 ふわふわ、フラフラするめまい。
 非回転性で、立ち眩みでも爆、麻痺や強い頭痛がないものです。
 多くは慢性的で、ときどき出現するものや、常にあるものもあります。
 また歩いている最中だけの場合や、じっとしていてもある場合など、パターンが一定しません。
 心療内科を受診してください。 
 自律神経失調症のめまいの原因
 自律神経失調症のめまいはストレスや睡眠不足、生活のリズムの乱れ、過労なども関係するので、まずはこうした問題を少しでも改善することが大切です。
 めまいを軽減する薬として、メイラックス、リーゼ、リボトリール、メソメニール、漢方薬等を使います。
 70%の人は、数日から、2週間で症状が軽減します。 

○更年期障害と自律神経失調症 どこが違う? 更年期障害と自律神経失調症の症状はとても似ています。 一体何が違うのでしょうか? 医師としても、ホットフラッシュを除いて、症状だけでこの2つを区別することができないと考えています。  更年期障害だと診断するには、血液検査で、エストロジェンの低下や、老化した卵巣を活発にするために脳下垂体から分泌されるホルモン、性腺刺激ホルモン、の上昇が参考になります。  正、エストロジェンや性腺刺激ホルモンのこうした変化はあくまでも年齢に伴う生理的変化であり、病的変化ではありません。 その証拠に、こうしたデータの異常があっても更年期に全く症状がない人もたくさんいます。 つまり血液データはあくまでも参考資料。 また自律神経失調症を積極的に診断できる検査は今はありません。 そこで乱暴に考えると、更年期の女性にホットフラッシュがあり、ホルモン異常があれば、更年期障害というのが現実的になります。