投稿日:2023年5月29日 更新日:2024年1月16日

手根管症候群は手術?保存療法?

実験をした結果、手術をして、1ヶ月目は29%の満足度だけど、3か月後は 80%になったよ。
手術しない方法は、夜寝るときに固定して寝るだけだけど、1ヶ月目は43%の満足度。 3か月後は、54%。
手術しないって人を調査すると、1年半の間で、4割が手術に移行。
そしたら、手術しないで進めた人の中で手術した人の満足度は、94%。
ん~そしたら、最初から手術したほうがいいんじゃない? っていう研究結果。
でも、面白いのが、手術したのか、手術していないのか、わからないようにして、理学療法士に確認してもらったら・・・、別に手術したほうが良くなっているとならなかったんだ。
それを考えると、「私は手術をしたんだ!」という出来事が満足度を上げているんじゃないのかって、研究発表しているんだ。

参照:Splinting vs Surgery in the Treatment of Carpal Tunnel Syndrome
手根症候群の患者180人を無作為試験。
最初から手術する群と、保存療法群(夜間の固定具を手首に装着する保存療法で様子見る群。)
2つの結果を考えると、3ヶ月以降を考えると、【手術するほうがいい結果】ということになった。
対象患者の 平均年齢は49歳、 8割が女性。 罹病期間は約1年。 保存療法は、固定装具で、場合によっては薬が処方されている。
半数の人は両手にしびれがあったため、その場合、重症の方を検証していく方法。
第1の評価は、治療前と比べた改善度合い。
【成功】は、患者の自覚評価で、「完全に回復」「かなり回復」を成功と評価する方法。
1か月後の評価は、手術群は 29%。保存療法は 42% と保存療法が評価が高かった。
しかし、3か月後の評価は、手術群の成功率 80% 保存療法 54% と大きく変わった。
18ヶ月後まで追跡しても手術群の評価は変わらなかった。
米国神経学会のガイドラインでも、手根管症候群の治療の第1選択は、保存療法で、改善しない場合は、手術を考えるとしている。 しかし、今回の研究結果に対して、研究グループは「最初に手術療法を行ったほうが、最終的な治療成績は優れている」と結論。 明言はしていないものの、手術を第1の選択にすべきではないかと示唆している。
「保存療法後の手術」と「最初から手術」の治療成績はほぼ同等
今回のデータで目を引くのは、保存療法に割り当てられた患者差のおよそ 4割 が 18ヵ月 までに手術している。
18ヵ月が経過した時点での治療成功率は、保存療法を行った後に手術を受けた患者が 94%。
これを考えると、最初に保存療法を行い、改善しないなら、手術をする戦略が、最初から手術をする戦略と治療成績が変わらない。
ちなみに最後まで手術しなかった保存療法の成功率は62%
今回の試験の第2評価、理学療法士による「客観的な評価」も行っている。
評価の際は、手術をしているのかわからないように、患者にも口止めをして、手術している人なのか、手術していないのかわからない状態にして、行った。
しかし、そのデータは、手術したほうが、必ずしも優れていると言えなかった。
これは、「手術を受けた」という真実が、客観的な満足度を上げている可能性を考える。
今後とも、手術の方が保存より優れている。と言い切るためには、患者さんの「解釈の余地」を排除し、厳密な試験が必要と言う。
あとは、成功の評価基準が、「完全に回復」と「かなり回復」になっているが、保存療法に、「完全に回復」のチェックがなかった。 成功の基準を上げると、満足度の評価ももっと開きが出てくるのだろうと考える。
